危険物取扱者試験の受験資格・日程・申込方法(乙4中心)

危険物取扱者試験は甲種・乙種(第1〜6類)・丙種に分かれ、乙4は誰でも受験できます。乙種は35問・2時間の五肢択一で、法令・物理化学・性質消火の科目ごとに60%以上取れば合格です。受験手数料は乙種5,300円です。

甲種・乙種・丙種は何が違う?どの危険物を扱える?

甲種はすべての類の危険物を扱えます。乙種は免状に書かれた類だけ、丙種はガソリンや灯油など第4類の一部だけを扱えます。

資格のない人が製造所等で危険物を扱うには、甲種か乙種の危険物取扱者の立会いが必要です(消防法第13条第3項)。丙種は自分で扱うことはできますが、立会いはできません

乙種の全類をそろえても甲種には切り替わりません。違いが出るのは危険物保安監督者などの資格要件です。乙4はガソリン・灯油・軽油・重油などの引火性液体をまとめて扱える種類で、令和6年度の受験者は223,846人でした。

種類扱える危険物立会い
甲種第1類〜第6類のすべてできる
乙種(第1〜6類)免状に指定された類だけその類についてできる
丙種ガソリン、灯油、軽油、第3石油類(重油・潤滑油・引火点130℃以上のもの)、第4石油類、動植物油類できない

出典:消防試験研究センター「受験案内」(危険物取扱者免状の種類)

受験資格は必要?甲種だけ条件がある?

乙種と丙種は誰でも受験できます。年齢や国籍の制限もありません。ただし問題文は日本語だけです。

甲種は、下の5つのどれかに当たる人だけが受験できます。申請のときに卒業証明書や免状などの証明書類を出します。過去に甲種を申請したことがあれば、そのときの受験票か試験結果通知書で証明に代えられます。

2026年6月30日施行の規則改正で、専修学校に関する甲種の受験資格の規定が整備されました。2026年4月1日以後に専修学校の専門課程に入学した人から適用されます。自分が当てはまるかは、センターの受験資格の案内で確かめてください。

大学等の卒業大学・短大・高専などで化学に関する学科又は課程を修めて卒業した人。専修学校は修業年限2年以上・総授業時数1,700時間以上の専門課程に限る
化学の15単位大学等で化学に関する授業科目を15単位以上修得した人。在学中・中退・通信教育の単位も合算できる
乙種と実務2年乙種免状の交付を受けた後、製造所等での危険物取扱いの実務経験が2年以上ある人
乙種4種類乙種免状を4種類以上持つ人。組合せは、第1類か第6類、第2類か第4類、第3類、第5類
修士・博士化学に関する事項を専攻して修士または博士の学位を得た人

出典:消防試験研究センター「受験資格」

何問出て、何点取れば合格する?

合格の条件は、試験科目ごとにそれぞれ60%以上正解することです(危険物の規制に関する規則第55条の2)。合計点ではなく科目ごとに判定するので、1科目でも60%に届かなければ不合格です。

乙種(免除なし)なら、法令15問中9問、物理・化学10問中6問、性質・消火10問中6問が最低ラインです。試験はマークシートの筆記だけで、実技はありません。

本番と同じ科目・問題数で判定するには、当サイトの模擬試験を使ってください。

種類科目と問題数合計形式試験時間
甲種法令15、物理学及び化学10、性質・消火2045問五肢択一2時間30分
乙種(第1〜6類)法令15、基礎的な物理学及び基礎的な化学10、性質・消火1035問五肢択一2時間
丙種法令10、燃焼及び消火に関する基礎知識5、性質・消火1025問四肢択一1時間15分

出典:消防試験研究センター「試験科目及び問題数」

科目免除はどんなときに受けられる?

乙種の免状を1種類でも持っていれば、別の類の乙種を受けるときに法令と物理・化学が全部免除されます。解答するのは性質・消火の10問だけで、試験時間は35分です。

条件は免状の交付を受けていることです。合格しただけで免状がまだなら、免除は受けられません。免状は全国共通なので、別の都道府県で受けても免除されます。

甲種には科目免除がありません。一部免除の場合、免除された問題は点数に加算されません。乙種免状を持つ人は、第1・2・3・5・6類のうち2種類までを同じ日に受けられます。2種類受けるときの試験時間は1時間10分で、複数受験を行うかどうかは支部によって違います。

免除を受けられる人対象解答する問題試験時間
乙種免状を1種類以上持つ人乙種の他の類性質・消火10問35分
火薬類の免状を持つ人(申請による)乙種第1類・第5類法令15問、物化4問、性消5問の24問1時間30分
乙種免状と火薬類の免状の両方を持つ人乙種第1類・第5類性質・消火5問35分
消防団員を5年以上務め、消防学校の基礎教育か専科教育の警防科を修了した人丙種法令10問、性消10問の20問1時間

出典:消防試験研究センター「よくある質問(危険物)」

試験は年に何回?どこで受けられる?

試験は都道府県ごとに行われ、回数は都道府県によって大きく違います。消防法は種類ごとに毎年1回以上行うと定めていて、実際の運営は消防試験研究センターの支部(東京都は中央試験センター)が担っています。

住んでいる場所に関係なく、どの都道府県でも受験できます。令和8年度に乙4を実施する日数を2026年9月14日時点の日程で数えると、東京都の40日が最も多く、47都道府県を合わせると381日でした。

東京都の40日は、乙4の39日に島しょ地域試験の1日を加えた数です。東京では甲種が5日、乙4以外の乙種と丙種はそれぞれ7日です。日程は年度の途中で追加・変更されることがあるので、申し込む前にセンターの全国日程で確かめてください。

地方令和8年度に乙4を実施する日数
北海道・東北北海道11、青森14、岩手10、宮城11、秋田10、山形10、福島21
関東茨城6、栃木6、群馬12、埼玉8、千葉8、東京40、神奈川7
甲信越・北陸新潟5、富山8、石川16、福井6、山梨5、長野10
東海岐阜10、静岡4、愛知11、三重7
近畿滋賀25、京都6、大阪5、兵庫5、奈良4、和歌山6
中国鳥取6、島根6、岡山3、広島8、山口4
四国徳島4、香川3、愛媛5、高知5
九州・沖縄福岡4、佐賀3、長崎3、熊本3、大分5、宮崎3、鹿児島3、沖縄6

出典:消防試験研究センター「試験日程[全国一覧]」

申込みは電子申請?書面でもできる?

申込みは電子申請と書面申請の2通りで、センターは電子申請を勧めています。令和6年度からは、危険物取扱者試験のすべての申込みで電子申請が使えます。

電子申請は受付期間中なら24時間申し込め、手数料はクレジットカード、PayPay、メルペイ、コンビニ払い、ペイジーで払えます。受験票は試験日のおおむね10日前までにメールで知らせが届き、自分で印刷します。書面申請の場合、受験票は試験日の1週間前までに郵送されます。

センターは2026年6月19日に、令和10年度(2028年度)から受験申込みを電子申請を原則とする予定だと告知しました。書面申請がどこまで残るかなどの詳細は、今後ホームページに載せるとしています。

3年以内に受験を申請したことがある人は、資格判定コードを使って電子申請で再受験を申し込めます。

出典:消防試験研究センター「令和10年度から受験申込みは電子申請を原則とします」(PDF)

受験手数料はいくら?

受験手数料は甲種7,200円、乙種5,300円、丙種4,200円です(非課税)。一度払い込んだ手数料は返金されません。

この額は2024年5月からのものです。地方公共団体の手数料の標準に関する政令の改正で、甲種6,600円・乙種4,600円・丙種3,700円から引き上げられました。古い教材や記事には改定前の額が載っていることがあります。

乙種を2種類同時に受けるときは、種類ごとに手数料を払います。合格後の免状の交付にも、1種類ごとに2,900円かかります。支払い方法によっては決済の手数料が別にかかることがあるので、受ける支部の試験案内で確かめてください。

出典:消防試験研究センター「試験手数料一覧表」

試験当日は何を持っていく?何に気をつける?

持ち物は、写真を貼った受験票、HBかBの鉛筆またはシャープペンシル、消しゴムです。受験票に顔写真を貼っていないと受験できません。

定規類、電卓、スマートフォン、携帯電話、スマートウォッチなどは試験会場で使えません。計算問題も手で計算します。

受験票に書かれた集合時刻までに会場に入り、係員の説明を聞いてから受験します。途中退室は試験開始から35分間はできず、それ以降は試験官の指示で退室できます。

出典:消防試験研究センター「注意事項」

合格発表はいつ、どうやって分かる?

正式な合格発表は、支部での合格者の受験番号の公示と、受験者全員に届く試験結果通知書です。センターのホームページへの掲示は、原則として発表日の正午から行う受験者向けのサービスです。

試験結果通知書には合否のほかに正答率が書かれています。センターは、地域による差はあるものの、発表から2〜3日で通知書が届くようにしているとしています。

出典:消防試験研究センター「よくある質問(危険物)」

合格したら免状はどうやってもらう?保安講習は必要?

合格しただけでは危険物取扱者になりません。免状の交付を申請し、交付を受けて初めて資格を持ったことになります。申請先は受験した都道府県のセンター支部(東京都は中央試験センター)で、手数料は1種類ごとに2,900円です。

東京試験の案内では、試験当日に免状申請用の書類一式が配られ、合格者には試験結果通知書と一緒に免状交付申請書が郵送されるとしています。

免状の写真は10年ごとに書き換えます。手数料は写真の書換えが1,600円、本籍・氏名などの書換えが700円、なくしたときなどの再交付が1,900円です。住所が変わっただけなら書換えは要りません。数字は覚える数字にもまとめています。

保安講習は、製造所等で危険物の取扱作業に従事している危険物取扱者に受講義務があります(消防法第13条の23)。従事することになった日から1年以内に受け、その後は受講日以後の最初の4月1日から3年以内ごとに受けます。

従事する前の2年以内に免状の交付か講習の受講があった人は、その日以後の最初の4月1日から3年以内に受ければよいとされています(規則第58条の14)。

出典:消防試験研究センター「免状の交付・書換え等」

よくある質問

乙4は何問正解すれば合格ですか?

法令15問中9問、物理・化学10問中6問、性質・消火10問中6問以上です。科目ごとに60%以上が条件で、合計点では判定しません。1科目でも基準を下回ると不合格です。

危険物取扱者試験の受験料はいくらですか?

甲種7,200円、乙種5,300円、丙種4,200円です(2024年5月から)。合格後の免状の交付には、別に1種類ごとに2,900円かかります。

乙4の試験は年に何回ありますか?

都道府県によって違います。令和8年度に乙4を実施する日数は、東京都40日、滋賀県25日、福島県21日などで、3日の県もあります。住所に関係なく、どの都道府県でも受験できます。

甲種の受験資格は?

化学に関する学科等の卒業、化学の授業科目15単位以上の修得、乙種免状の交付後の実務経験2年以上、乙種免状4種類以上(組合せの条件あり)、化学の修士・博士のいずれかです。乙種と丙種には受験資格がありません。

乙4に受かったあと、他の類はどう受けますか?

乙種の免状の交付を受けていれば、法令と物理・化学が免除され、性質・消火10問だけを35分で解きます。免除の条件は合格ではなく、免状の交付を受けていることです。

出典:消防試験研究センター「受験案内」同「試験科目及び問題数」同「試験の方法」同「受験資格」同「受験の申請」同「注意事項」同「よくある質問(危険物)」同「免状の交付・書換え等」同「令和8年度 危険物取扱者試験案内〔東京試験〕」(PDF)消防法(e-Gov法令検索)危険物の規制に関する規則(e-Gov法令検索)