危険物取扱者の試験科目・出題範囲

危険物取扱者 乙種第4類は危険物に関する法令15問、基礎的な物理学及び基礎的な化学10問、危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法10問の全35問で、各科目60%以上が合格の条件です。

センターは、規則第55条の試験科目より細かい出題基準を公表していません。下の項目は、条文の科目名と、民間の出題傾向記事16件で挙がっているテーマ名を当サイトが分野にまとめたものです。合格の条件は科目ごとに60%以上で、合計点では判定しません。

★の学習優先度は当サイト独自の分析です。科目名と項目は公表内容に基づく事実です。

危険物取扱者 乙種第4類では何が出る?

ガソリン、灯油、軽油、重油、アルコール類、動植物油類などの引火性液体(第4類)を取り扱い、資格のない人の取扱いに立ち会える資格です。受験資格はなく、誰でも受験できます。

乙4は法令15問・物理化学10問・性質消火10問の35問を2時間で解きます。科目ごとに60%以上、つまり9問・6問・6問以上が合格の条件です。センターは科目内の分野別の配分を公表していないので、★は民間記事での挙がり方から当サイトが付けた目安です。

危険物に関する法令(15問)

科目・分野 主な項目 優先度(独自)
危険物の定義・品名・指定数量
  • 消防法別表第一の第1〜6類
  • 第4類の品名と引火点の境界(−20℃・21℃・70℃・200℃・250℃)
  • 指定数量と倍数の計算(消防法第10条第2項)
  • 仮貯蔵・仮取扱い(承認・10日以内)
  • 指定数量未満は市町村条例

倍数の計算は、確認した出題傾向記事のうち7サイトが頻出に挙げています。品名の知識は性質・消火でも使うので、最初に固めると2科目で得点につながります。

★★★
製造所等の区分と許可・届出
  • 製造所・貯蔵所7区分・取扱所4区分
  • 設置・変更の許可、完成検査、仮使用
  • 品名・数量の変更届(10日前)、譲渡・用途廃止の届出
  • 措置命令・許可の取消し・使用停止命令

許可・承認・届出の相手と期限を入れ替えた選択肢で問われます。表にまとめれば覚える量は多くありません。

★★☆
危険物取扱者・保安講習・保安監督者・予防規程
  • 甲種・乙種・丙種の取扱いと立会い
  • 免状の交付・書換え・再交付(写真は10年)
  • 保安講習(1年以内、以後3年以内ごと)
  • 危険物保安監督者(実務6か月以上)・保安統括管理者・施設保安員
  • 予防規程(市町村長等の認可)

免状・保安講習・保安監督者・予防規程は、それぞれ3〜5サイトが「よく出る」に挙げています。期限と申請先の組合せで問われます。

★★★
位置・構造・設備の基準と定期点検
  • 保安距離(10m・20m・30m・50m、電線3m・5m)
  • 保有空地
  • 標識・掲示板の寸法と色
  • 消火設備の第1〜5種と所要単位
  • 給油取扱所の基準
  • 定期点検の対象・頻度・記録の保存

覚える数字が最も多い分野です。定期点検は6サイト、保安距離・保有空地は4サイトが頻出に挙げています。

★★★
貯蔵・取扱い・運搬・移送の基準
  • 貯蔵・取扱いの共通基準
  • 給油と移動タンクでの取扱い(原動機の停止・接地)
  • 運搬容器・積載方法・混載の禁止・「危」の標識
  • 移送(取扱者の乗車と免状の携帯、運転要員2人)

運搬と移送の違いは4サイトが頻出に挙げています。数量の条件と乗車する人の要件を対にして覚えます。

★★☆

基礎的な物理学及び基礎的な化学(10問)

科目・分野 主な項目 優先度(独自)
燃焼の理論
  • 燃焼の三要素
  • 燃焼の形態(蒸発・分解・表面・自己燃焼)
  • 引火点・発火点・燃焼範囲
  • 自然発火・粉じん爆発

燃焼の三要素と引火点・発火点・燃焼範囲は、民間記事が毎回出るとしているテーマです。性質・消火を理解する土台にもなります。

★★★
物質の状態と物理
  • 三態と状態変化
  • 沸点と蒸気圧
  • 比重・蒸気比重
  • 熱量と比熱・熱の移動・熱膨張
  • ボイル・シャルルの法則

比重・熱量・気体の法則の計算が入ります。公式ごとに例題を1つ手で解いておくと、本番で式を思い出せます。

★★☆
化学の基礎
  • 単体・化合物・混合物
  • 物理変化と化学変化
  • 化学反応式とモル
  • 酸・塩基・中和・pH
  • 酸化と還元
  • 金属のイオン化傾向と腐食
  • 有機化合物の基礎

項目は多いものの、酸化と還元(4サイト)や物理変化と化学変化(3サイト)のように定義を問うテーマが挙がっています。

★★☆
静電気
  • 発生しやすい条件(絶縁性の液体・流速・乾燥)
  • 対策(接地・加湿・流速を落とす)

目安は1問前後ですが、7サイトが頻出に挙げています。第4類の火災予防とも重なります。

★★☆
消火の理論
  • 除去・窒息・冷却・抑制
  • 火災の区分(A・B・C)
  • 消火剤の種類と適応

第4類の消火方法(窒息消火、水溶性液体用の泡)と一緒に覚えると、性質・消火の問題にも使えます。

★★☆

危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(10問)

科目・分野 主な項目 優先度(独自)
第4類に共通する性質・予防・消火
  • 引火しやすい、蒸気は空気より重い
  • 多くは水より軽く水に溶けない
  • 電気の不良導体で静電気がたまりやすい
  • 窒息消火、水溶性液体には水溶性液体用泡

民間記事が毎回出るとしているテーマです。共通の性質を押さえると、個別の物質の問題も共通性質から考えられます。

★★★
特殊引火物・第1石油類・アルコール類
  • ジエチルエーテル・二硫化炭素・アセトアルデヒド・酸化プロピレン
  • ガソリン・ベンゼン・トルエン・アセトン・酢酸エチル
  • メタノール・エタノール・2-プロパノール

引火点が低い品名で、それぞれ4〜5サイトが頻出に挙げています。二硫化炭素の水中貯蔵のような物質ごとの例外が問われます。

★★★
第2〜第4石油類・動植物油類
  • 灯油・軽油・キシレン・酢酸
  • 重油・クレオソート油・アニリン・ニトロベンゼン・グリセリン
  • ギヤー油・シリンダー油
  • 動植物油類(乾性油と自然発火)

灯油・軽油と動植物油類は4サイトが頻出に挙げています。第3・第4石油類を挙げる記事は3サイトでした。

★★☆
第1〜6類の概要
  • 酸化性固体・可燃性固体・自然発火性物質及び禁水性物質・引火性液体・自己反応性物質・酸化性液体
  • 固体か液体か、燃えるかどうかの対比

目安は1問ほどです。6つの類の性質名を、固体・液体と燃える・燃えないの対で覚えておけば答えやすくなります。

★★☆
事故事例と予防
  • 給油中・詰替え中の静電気と蒸気
  • タンク清掃中の事故
  • 流出したときの対応

挙げている記事は2サイトで、ときどき出るとされるテーマです。第4類の共通性質と静電気の知識を組み合わせて考える問題です。

★☆☆

危険物取扱者 甲種では何が出る?

第1類〜第6類のすべての危険物を取り扱い、資格のない人の取扱いに立ち会える資格です。受験するには、化学に関する学科の卒業、化学の授業科目15単位、乙種免状の交付後の実務2年、乙種免状4種類以上などの受験資格が必要です。

甲種は法令15問・物理学及び化学10問・性質消火20問の45問を2時間30分で解きます。科目免除はありません。性質・消火は第1〜6類すべてが対象で、類ごとに共通する特性に加えて品名ごとの性質まで問われます(規則第55条第1項)。

危険物に関する法令(15問)

科目・分野 主な項目 優先度(独自)
法令(乙種と同じ科目名)
  • 危険物の定義と指定数量(全類)
  • 製造所等の区分・許可・届出
  • 危険物取扱者・保安講習・保安監督者
  • 位置・構造・設備の基準と定期点検
  • 貯蔵・取扱い・運搬・移送

科目名と問題数は乙種と同じです。第4類以外の指定数量や運搬の混載の組合せなど、全類にわたる知識が加わります。

★★☆

物理学及び化学(10問)

科目・分野 主な項目 優先度(独自)
物理学
  • 物質の状態変化と蒸気圧
  • 熱量・比熱・熱膨張
  • 気体の法則
  • 静電気

乙種の科目名から「基礎的な」が外れた科目です。計算を含む問題に、手で解いて慣れておく必要があります。

★★☆
化学
  • 化学反応式とモル・反応熱
  • 酸・塩基・中和・pH
  • 酸化と還元・イオン化傾向
  • 有機化合物

反応式の量的関係など、乙種の範囲を広げた内容です。性質・消火で出る物質の反応を理解する土台になります。

★★☆
燃焼及び消火に関する理論
  • 燃焼の三要素と燃焼の形態
  • 引火点・発火点・燃焼範囲
  • 消火の方法と消火剤

規則第55条第1項で科目の中に明記されている項目です。性質・消火20問の火災予防と消火の理解にそのまま使います。

★★★

危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(20問)

科目・分野 主な項目 優先度(独自)
類ごとの共通性質と比較
  • 第1〜6類の性質(酸化性・可燃性・禁水性など)
  • 類ごとに共通する火災予防と消火
  • 一緒に置いたり運んだりすると危ない組合せ

20問は3科目で最も多く、60%には12問の正解が要ります。類ごとの共通性質を先にそろえると、品名ごとの暗記を整理しやすくなります。

★★★
第1類・第6類(酸化性の固体と液体)
  • 塩素酸塩類・過塩素酸塩類・無機過酸化物・硝酸塩類など
  • 過塩素酸・過酸化水素・硝酸

他の物を燃やす性質の類です。無機過酸化物のように、水との反応に注意する物質が混ざっています。

★★☆
第2類(可燃性固体)
  • 硫化りん・赤りん・硫黄
  • 鉄粉・金属粉・マグネシウム
  • 引火性固体

水で消せる物質と、金属粉のように水をかけてはいけない物質が混ざっています。品名ごとに消火方法を分けて覚えます。

★★☆
第3類(自然発火性物質及び禁水性物質)
  • カリウム・ナトリウム・アルキルアルミニウム
  • 黄りん
  • 金属の水素化物・りん化物、カルシウムやアルミニウムの炭化物など

保護液や禁水かどうかなど、品名ごとの貯蔵方法が細かく分かれています。例外として問われる物質が多い類です。

★★★
第4類(引火性液体)
  • 特殊引火物〜動植物油類の7品名
  • 代表物質の引火点・発火点・比重

乙4と同じ範囲で、乙4の教材で学べます。

★★☆
第5類(自己反応性物質)
  • 有機過酸化物・硝酸エステル類・ニトロ化合物
  • アゾ化合物・ジアゾ化合物・ヒドラジンの誘導体など

分子の中に酸素を含んで自ら燃える物質が多く、窒息消火が効かない点がほかの類と違います。

★★★

危険物取扱者 丙種では何が出る?

ガソリン、灯油、軽油、第3石油類(重油・潤滑油・引火点130℃以上のもの)、第4石油類、動植物油類を取り扱える資格です。受験資格はありません。甲種・乙種と違って、資格のない人の取扱いに立ち会うことはできません。

丙種は法令10問・燃焼及び消火に関する基礎知識5問・性質消火10問の25問を、1時間15分の四肢択一で解きます。合格ラインは6問・3問・6問以上です。性質・消火の範囲は、丙種が扱える危険物に限られます(規則第49条・第55条第3項)。

危険物に関する法令(10問)

科目・分野 主な項目 優先度(独自)
法令
  • 危険物の定義と指定数量
  • 製造所等の区分と許可・届出
  • 危険物取扱者制度(丙種の取扱い範囲、立会いができないこと)
  • 保安講習・定期点検
  • 貯蔵・取扱い・運搬の基準

3科目で問題数が最も多い科目です。乙4の法令と同じ条文が土台になります。

★★★

燃焼及び消火に関する基礎知識(5問)

科目・分野 主な項目 優先度(独自)
燃焼と消火の基礎
  • 燃焼の三要素
  • 引火点・発火点・燃焼範囲
  • 静電気
  • 消火の方法と消火剤

5問のうち3問の正解が必要で、3問間違えると不合格になります。問題数が少ないぶん、1問の重みが大きい科目です。

★★☆

危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(10問)

科目・分野 主な項目 優先度(独自)
丙種が扱える危険物の性質
  • ガソリン・灯油・軽油
  • 重油・潤滑油など第3石油類の一部
  • 第4石油類・動植物油類

範囲は丙種が扱える品名に限られます。乙4の性質・消火のうち、これらの品名に絞って学べます。

★★★
火災予防と消火の方法
  • 蒸気と静電気への注意
  • 給油・詰替えのときの注意
  • 泡・粉末などによる窒息消火

第4類に共通する予防と消火が中心です。燃焼・消火の科目と重なるので、まとめて学べます。

★★☆

よくある質問

危険物取扱者 乙種第4類の試験科目は?

危険物に関する法令、基礎的な物理学及び基礎的な化学、危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法の3科目です。問題数は全35問、形式は五肢択一、試験時間は2時間です。

合格基準は?

各科目60%以上が合格の条件です。

どの科目から勉強すればいい?

下の表の★は、出題範囲と出題のされ方から当サイトが独自に付けた優先度です。★3の科目から手をつけると、直前に重い科目が残りません。公式の区分ではありません。

出典:試験科目及び問題数|消防試験研究センター試験の方法(合格基準)|消防試験研究センター危険物の規制に関する規則 第55条・第55条の2(e-Gov法令検索)