危険物取扱者(乙4)で覚える数字(128項目)

指定数量、保安距離、保有空地、点検や届出の期限など、乙4で覚える数字を条文ごとに並べました。補足の欄に根拠条文か出典を書いています。物質の引火点などは出典によって値が違うものがあり、その場合は補足に両方の値を載せました。

第4類の品名はどの数字で分かれる?

項目数字補足
特殊引火物(発火点で決まる場合)発火点100℃以下1気圧での値。消防法別表第一 備考。例示はジエチルエーテル・二硫化炭素
特殊引火物(引火点と沸点で決まる場合)引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下発火点100℃以下と、どちらか一方に当たれば特殊引火物(同)
第1石油類引火点21℃未満例示はアセトン・ガソリン(同)
アルコール類炭素数1〜3炭素数1〜3の飽和一価アルコール。変性アルコールを含む(同)
アルコール類から除かれる水溶液含有量60%未満炭素数1〜3の飽和一価アルコールの含有量が60%未満の水溶液(規則第1条の3第4項)
第2石油類引火点21℃以上70℃未満例示は灯油・軽油(消防法別表第一 備考)
第3石油類引火点70℃以上200℃未満例示は重油・クレオソート油(同)
第4石油類引火点200℃以上250℃未満例示はギヤー油・シリンダー油(同)
動植物油類引火点250℃未満動物の脂肉等や植物の種子・果肉から抽出したもの(同)
引火点250℃以上の引火性液体危険物ではない指定可燃物の「可燃性液体類」として扱う(政令別表第四 備考第8号)
消防法でいう液体20℃で液状1気圧・20℃で液状、または20℃を超え40℃以下で液状になるもの。第3・第4石油類と動植物油類は20℃で液状のものに限る(消防法別表第一 備考)

指定数量はいくつ?

項目数字補足
特殊引火物50L第4類で最も小さい(政令別表第三)
第1石油類(非水溶性)200Lガソリン・ベンゼン・トルエン・酢酸エチルなど(同)
第1石油類(水溶性)400Lアセトンなど。非水溶性の2倍(同)
アルコール類400Lメタノール・エタノールなど(同)
第2石油類(非水溶性)1,000L灯油・軽油・キシレンなど(同)
第2石油類(水溶性)2,000L酢酸など(同)
第3石油類(非水溶性)2,000L重油・クレオソート油など(同)
第3石油類(水溶性)4,000Lグリセリン・エチレングリコールなど(同)
第4石油類6,000Lギヤー油・シリンダー油など(同)
動植物油類10,000L第4類で最も大きい(同)
第3類のカリウム・ナトリウム10kg全類で最も小さい区分の一つ(政令別表第三)
指定数量の倍数和が1以上品名ごとの「数量÷指定数量」を足し、1以上なら指定数量以上とみなす(消防法第10条第2項)。運搬も同じ考え方(政令第30条第2項)

製造所等の区分と施設の大きさは?

項目数字補足
製造所等の区分12区分製造所1、貯蔵所7、取扱所4(政令第2条・第3条)
第一種販売取扱所倍数15以下店舗で容器入りのまま販売する取扱所(政令第3条)
第二種販売取扱所倍数15超40以下
屋外貯蔵所に置ける第1石油類引火点0℃以上アルコール類・第2〜第4石油類・動植物油類も貯蔵できる(政令第2条)
屋内貯蔵所の貯蔵倉庫軒高6m未満の平家建て総務省令で定める倉庫は20m未満にできる(政令第10条第1項)
屋内貯蔵タンクの容量指定数量の40倍以下第4石油類・動植物油類以外の第4類は20,000Lが上限(政令第12条)
地下貯蔵タンクの頂部地盤面から0.6m以上下政令第13条
簡易貯蔵タンクの容量600L以下政令第14条
移動貯蔵タンクの容量30,000L以下政令第15条
移動貯蔵タンクの間仕切4,000L以下ごと厚さ3.2mm以上の鋼板などで完全に仕切る(政令第15条)
防油堤の容量タンク容量の110%以上引火点のある液体の場合。2基以上を囲むときは、最大のタンクの110%以上。引火点のない液体の危険物のタンクは100%以上(規則第22条)
避雷設備が必要な規模指定数量の10倍以上製造所・屋内貯蔵所など(政令第9条第1項第19号、第10条第1項第14号)

保安距離は何m?

項目数字補足
住居10m以上同じ敷地内のものを除く(政令第9条第1項第1号)
高圧ガス施設など20m以上規則第12条第2項
学校・病院・劇場など30m以上多数の人を収容する施設(政令第9条第1項第1号、規則第11条)
重要文化財などの建造物50m以上政令第9条第1項第1号
特別高圧架空電線(7,000V超35,000V以下)水平距離3m以上
特別高圧架空電線(35,000V超)水平距離5m以上
保安距離が必要な施設5施設製造所・屋内貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・屋外貯蔵所・一般取扱所(政令第9条〜第11条・第16条・第19条)

保有空地は何m?

項目数字補足
製造所(倍数10以下)3m以上政令第9条第1項第2号。一般取扱所も同じ(第19条)
製造所(倍数10超)5m以上
屋内貯蔵所(倍数5以下)不要/0.5m以上左は壁・柱・床が耐火構造の場合、右はそれ以外(政令第10条第1項第2号)。以下の屋内貯蔵所も同じ
屋内貯蔵所(倍数5超10以下)1m以上/1.5m以上
屋内貯蔵所(倍数10超20以下)2m以上/3m以上
屋内貯蔵所(倍数20超50以下)3m以上/5m以上
屋内貯蔵所(倍数50超200以下)5m以上/10m以上
屋内貯蔵所(倍数200超)10m以上/15m以上
屋外タンク貯蔵所(倍数500以下)3m以上政令第11条第1項第2号
屋外タンク貯蔵所(倍数500超1,000以下)5m以上
屋外タンク貯蔵所(倍数1,000超2,000以下)9m以上
屋外タンク貯蔵所(倍数2,000超3,000以下)12m以上
屋外タンク貯蔵所(倍数3,000超4,000以下)15m以上
屋外タンク貯蔵所(倍数4,000超)直径か高さの大きい方タンクの最大直径(横型は横の長さ)か高さの大きい方。ただし15m以上(同)

届出・承認の期限と、人の要件は?

項目数字補足
仮貯蔵・仮取扱い10日以内所轄の消防長か消防署長の承認が必要(消防法第10条第1項)
品名・数量・倍数の変更変更の10日前まで位置・構造・設備を変えない場合の届出(消防法第11条の4)
譲渡・引渡しによる地位の承継遅滞なく届出消防法第11条第6項
用途廃止遅滞なく届出消防法第12条の6
危険物保安監督者の選任・解任遅滞なく届出市町村長等へ(消防法第13条)
完成検査済証を再交付後に見つけた10日以内に提出再交付をした市町村長等へ(政令第8条)
危険物保安監督者になれる人実務6か月以上甲種か乙種で、危険物取扱いの実務経験が6か月以上。丙種はなれない(消防法第13条)
危険物保安統括管理者が必要な事業所指定数量の3,000倍以上第4類を扱う製造所・移送取扱所・一般取扱所。移送取扱所は指定数量以上(消防法第12条の7、政令第30条の3、規則第47条の5)

定期点検はいつ、記録は何年?

項目数字補足
点検の頻度1年に1回以上告示で定める構造・設備などは別の期間(規則第62条の4)
通常の点検記録の保存3年規則第62条の8
移動貯蔵タンクの漏れの点検記録10年
地下貯蔵タンク・地下埋設配管の漏れの点検記録3年
点検の対象(製造所)倍数10以上政令第8条の5(第7条の3を引用)
点検の対象(屋内貯蔵所)倍数150以上
点検の対象(屋外タンク貯蔵所)倍数200以上
点検の対象(屋外貯蔵所)倍数100以上
点検の対象(一般取扱所)倍数10以上
地下タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所規模を問わず対象地下タンクを持つ製造所・給油取扱所・一般取扱所も対象(政令第8条の5)

保安講習と免状の期限・手数料は?

項目数字補足
保安講習(はじめて従事する人)従事から1年以内製造所等で取扱作業に従事する危険物取扱者に受講義務(消防法第13条の23、規則第58条の14)
保安講習(従事前2年以内に免状交付か受講があった人)最初の4月1日から3年以内交付日・受講日以後の最初の4月1日から数える(規則第58条の14)
保安講習(2回目以降)最初の4月1日から3年以内ごと受講日以後の最初の4月1日から数える(同)
免状の写真10年ごとに書換え過去10年以内に撮影した写真が記載事項(規則第51条・第52条)
申請に使う写真縦4.5cm×横3.5cm申請前6か月以内に撮影したもの(センター「写真の書換え」)
なくした免状を見つけたとき10日以内に提出再交付を受けた都道府県知事へ(政令第35条第3項)
免状を交付しないことができる期間(返納命令)返納命令から1年消防法第13条の2第4項
免状を交付しないことができる期間(刑罰)執行終了等から2年消防法令に違反して罰金以上の刑に処せられた人(同)
新規交付の手数料2,900円1種類ごと(センター「免状の交付・書換え等」)
写真の書換えの手数料1,600円
本籍・氏名などの書換えの手数料700円住所の変更と、同じ都道府県内の本籍の変更は書換え不要(同)
再交付の手数料1,900円申請先は免状を交付か書換えをした都道府県(同)

標識・掲示板・消火設備の数字は?

項目数字補足
製造所等の標識0.3m×0.6m以上幅0.3m以上・長さ0.6m以上。白地に黒文字(規則第17条)
防火に関し必要な事項の掲示板0.3m×0.6m以上白地に黒文字。類・品名・最大数量・倍数・保安監督者などを書く(規則第18条)
「火気厳禁」の掲示板赤地に白文字第4類、第5類、自然発火性物品、第2類の引火性固体(規則第18条)
「火気注意」の掲示板赤地に白文字第2類(引火性固体を除く)(同)
「禁水」の掲示板青地に白文字第1類のアルカリ金属の過酸化物など、禁水性物品(同)
「給油中エンジン停止」の掲示板黄赤地に黒文字給油取扱所(同)
移動タンク貯蔵所の標識0.3〜0.4m平方0.3m平方以上0.4m平方以下。黒地に黄色の反射塗料などで「危」、車両の前後に(規則第17条第2項)
第4種消火設備(大型消火器)歩行距離30m以下防護対象物の各部分からの距離(規則第32条の10)
第5種消火設備(小型消火器など)歩行距離20m以下給油取扱所などは「有効に消火できる位置」(規則第32条の11)
所要単位(製造所・取扱所の建築物)100㎡/50㎡ごと外壁が耐火構造なら延べ面積100㎡、それ以外は50㎡で1単位(規則第30条)
所要単位(貯蔵所の建築物)150㎡/75㎡ごと
危険物の所要単位指定数量の10倍で1単位

給油・貯蔵・運搬・移送の数字は?

項目数字補足
給油空地間口10m以上・奥行6m以上政令第17条第1項第2号
固定給油設備から軽油を入れられるタンク容量4,000L以下政令第3条第1号
屋内貯蔵所の容器入り危険物の温度55℃以下政令第26条第1項第3号の3
屋内貯蔵所で区分して貯蔵するときの間隔0.3m以上自然発火のおそれがあるものなどを倍数10以下ごとに区分する(政令第26条第1項第3号)
移動タンク貯蔵所から他のタンクに注入するとき原動機を止める危険物引火点40℃未満政令第27条第6項第4号ニ
屋外の液体危険物設備の囲い高さ0.15m以上政令第9条第1項第12号
運搬容器の収納率(固体)95%以下規則第43条の3
運搬容器の収納率(液体)98%以下55℃で漏れない空間容積も残す(規則第43条の3)
運搬容器の積み重ね高さ3m以下規則第46条の2
混載禁止が適用されない量指定数量の10分の1以下規則第46条・別表第4 備考
第4類と混載できる類第2類・第3類・第5類規則別表第4
移送で運転要員が2人以上要る場合連続4時間超か1日9時間超動植物油類、第2類、アルコール類、第3・第4石油類、原油分留品などの一部の第1・第2石油類は対象外。特殊引火物は対象(政令第30条の2第2号、規則第47条の2)

代表物質の引火点・発火点・比重は?

項目数字補足
ジエチルエーテルの引火点−45℃厚生労働省GHSモデルSDSと試験対策サイトで同じ値
ジエチルエーテルの発火点160℃試験対策サイトの値。厚生労働省GHSモデルSDSは175℃
二硫化炭素の発火点90℃このページの物質で最も低い。厚生労働省GHSモデルSDSも90℃
二硫化炭素の液比重1.3水より重い。厚生労働省GHSモデルSDSは1.2632
アセトアルデヒドの沸点20℃厚生労働省GHSモデルSDSは20.1℃
ガソリンの引火点−40℃以下危険物保安技術協会の用語解説・試験対策サイトの値。ILOの国際化学物質安全性カードは−21℃未満。混合物で出典により幅がある
ガソリンの発火点約300℃危険物保安技術協会の用語解説・試験対策サイトの値。国際化学物質安全性カードは約250℃で、出典により違う
ガソリンの燃焼範囲1.4〜7.6vol%試験対策サイトの値。国際化学物質安全性カードは1.3〜7.1vol%
アセトンの引火点−20℃水によく溶ける。厚生労働省GHSモデルSDSも−20℃
ベンゼンの引火点−11℃発火点は厚生労働省GHSモデルSDSが555℃、試験対策サイトが498℃で違う
メタノールの引火点11℃試験対策サイトの値。厚生労働省GHSモデルSDSは12℃
メタノールの発火点385℃試験対策サイトの値。厚生労働省GHSモデルSDSは464℃で大きく違う
エタノールの引火点・発火点13℃・363℃厚生労働省GHSモデルSDSと試験対策サイトで同じ値
灯油の引火点40℃以上危険物保安技術協会の用語解説の値。混合物のため、厚生労働省GHSモデルSDSは37〜65℃と幅がある
酢酸の液比重1.05水より重い。厚生労働省GHSモデルSDSは1.0492

計算で使う数字は?

項目数字補足
0℃の絶対温度273.15Kこのサイトの計算例は273で計算している(NIST)
1気圧101.325kPa標準大気圧(NIST)
気体1molの体積(0℃・1気圧)22.4L正確には22.414L(NIST、CODATA 2022)

よくある質問

乙4で指定数量が一番少ない品名は?

特殊引火物の50Lです。最も多いのは動植物油類の10,000Lです。第1〜第3石油類は、水溶性だと非水溶性の2倍になります。

保安距離と保有空地はどう違いますか?

保安距離は、施設の外にある住居や学校などとのあいだに取る距離です。保有空地は、施設の周りに確保しておく空き地の幅です。住居との保安距離は10m以上、製造所の保有空地は倍数10以下で3m以上、10を超えると5m以上です。

ガソリンの引火点は何℃で覚えればいいですか?

試験対策の教材では−40℃以下とされています。ILOの国際化学物質安全性カードは−21℃未満としていて、混合物のため出典で幅があります。どちらでも第1石油類(引火点21℃未満)であることは変わりません。

定期点検の記録は何年保存しますか?

通常の点検記録は3年です。移動貯蔵タンクの漏れの点検記録は10年、地下貯蔵タンクと地下埋設配管の漏れの点検記録は3年です(規則第62条の8)。

出典:消防法(e-Gov法令検索)危険物の規制に関する政令(e-Gov法令検索)危険物の規制に関する規則(e-Gov法令検索)消防試験研究センター「免状の交付・書換え等」厚生労働省 職場のあんぜんサイト GHSモデルSDS(例:ジエチルエーテル)ILO 国際化学物質安全性カード(例:ガソリン)危険物保安技術協会 用語解説(ガソリン・灯油)試験対策サイト(第4類の物質一覧)試験対策サイト(乙4の物質別解説)NIST 気体のモル体積(0℃・101.325kPa)