危険物取扱者 乙種第4類「燃焼の理論」の練習問題(10問)

危険物取扱者 乙種第4類の「燃焼の理論」(基礎的な物理学及び基礎的な化学)から10問を収録しています。答えの下に解説があるので、間違えた理由をその場で確認できます。

過去の試験問題の転載や言い換えではなく、試験科目と法令・技術の内容から当サイトが独自に作成した問題です。

燃焼の理論では何が問われる?

燃焼の三要素、燃焼の形態、引火点・発火点・燃焼範囲、燃えやすさの条件、自然発火と粉じん爆発が中心。物理・化学の中で毎回出るとする記事が多い分野。

燃焼の理論で間違えやすいのはどこ?

引火点は火を近づけて燃える最低の液温、発火点は火がなくても自ら燃え出す最低の温度。燃焼範囲は上限を超えても燃えない。熱伝導率は小さいほど燃えやすい。木炭は表面燃焼、硫黄は蒸発燃焼。

危険物取扱者 乙種第4類の全152問をクイズ形式で解く

燃焼の理論をくわしく知るには?

燃焼の三要素、燃焼の形態、引火点と発火点、燃焼範囲の読み方と計算、燃えやすさの条件、自然発火と粉じん爆発をまとめます。

燃焼の理論(三要素・燃焼の形態・引火点・発火点・燃焼範囲)を読む

  1. 燃焼の三要素(可燃物・酸素供給源・点火源)がすべてそろっている組合せはどれか。

    • ガソリンの蒸気、空気、静電気の火花正解
    • 二酸化炭素、空気、ライターの炎
    • 水素、窒素、電気の火花
    • 灯油の蒸気、酸素、気化熱
    • 窒素、酸素、衝撃の火花
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    三要素がそろっているのは「ガソリンの蒸気、空気、静電気の火花」です。ガソリンの蒸気が可燃物、空気中の酸素が酸素供給源、静電気の放電が点火源になります。二酸化炭素と窒素は燃えない物質です。水素と窒素の組合せには酸素供給源がありません。気化熱は熱を奪う変化なので、点火源にはなりません。

  2. 燃焼に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    • 燃焼とは、熱と光の発生を伴う激しい酸化反応である。
    • 空気中には、酸素が体積で約21%含まれている。
    • 分子の中に酸素を含む物質は、外から酸素が供給されなくても燃焼することがある。
    • 可燃物は、酸素と化合しやすく、化合したときの発熱量が小さいものほど燃えやすい。正解
    • 炭素が不完全燃焼すると、有毒な一酸化炭素が発生する。
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    誤っているのは「可燃物は、酸素と化合しやすく、化合したときの発熱量が小さいものほど燃えやすい」です。発熱量が大きいほど、出た熱で周りの可燃物を加熱し続けられるので燃焼は続きやすくなります。分子内に酸素を含む物質が空気なしで燃えることがあるという記述は正しく、第5類の危険物がその例です。

  3. 燃焼の形態と物質の組合せとして、誤っているものはどれか。

    • 蒸発燃焼:ガソリン、エタノール
    • 表面燃焼:灯油、硫黄正解
    • 分解燃焼:木材、石炭
    • 表面燃焼:木炭、コークス
    • 自己燃焼(内部燃焼):ニトロセルロース
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    誤っているのは「表面燃焼:灯油、硫黄」です。灯油は液面から出た蒸気が燃える蒸発燃焼で、硫黄も加熱されると溶けて蒸発し、その蒸気が燃える蒸発燃焼です。表面燃焼は、木炭やコークスのように分解も蒸発もせず、固体の表面で酸素と反応して燃えるものです。木材や石炭は、熱で分解して出たガスが燃える分解燃焼です。

  4. 可燃物の燃えやすさに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    • 空気と接する表面積が大きいほど燃えやすい。
    • 乾燥しているほど燃えやすい。
    • 周囲の温度が高いほど燃えやすい。
    • 酸化されやすいものほど燃えやすい。
    • 熱伝導率が大きいものほど燃えやすい。正解
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    誤っているのは「熱伝導率が大きいものほど燃えやすい」です。熱伝導率が大きいと、加えられた熱がすぐ内部や周囲へ逃げ、表面の温度が上がりにくくなります。燃えやすいのは熱伝導率が小さいものです。鉄の塊は燃えにくいのに、同じ鉄を細かい粉にすると表面積が大きく熱もこもるので、燃えることがあります。

  5. エタノールの燃焼範囲を3.3〜19 vol%とする。エタノールの蒸気と空気を混ぜた混合気50 Lのうち、点火すると燃焼するものはどれか。

    • エタノールの蒸気1.0 Lを含むもの
    • エタノールの蒸気1.5 Lを含むもの
    • エタノールの蒸気5.0 Lを含むもの正解
    • エタノールの蒸気10.5 Lを含むもの
    • エタノールの蒸気12 Lを含むもの
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    燃焼するのは「エタノールの蒸気5.0 Lを含むもの」です。濃度は 5.0÷50×100=10 vol% で、3.3〜19 vol%の範囲に入ります。1.0 Lは2.0 vol%、1.5 Lは3.0 vol%で下限に届かず、薄すぎて燃えません。10.5 Lは21 vol%、12 Lは24 vol%で上限を超え、濃すぎて燃えません。

  6. 燃焼範囲(爆発範囲)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    • 混合気の蒸気濃度が燃焼範囲の上限値を超えると、濃いほど激しく燃える。正解
    • 燃焼範囲は、空気との混合気に含まれる可燃性蒸気の体積の割合(vol%)で表す。
    • 燃焼範囲の下限値が低い物質ほど、わずかな蒸気の漏れでも燃焼の危険がある。
    • 燃焼範囲の幅が広い物質ほど、燃焼の危険性が大きい。
    • 燃焼範囲の下限値にあたる濃度の蒸気を液面上につくる最低の液温が、その液体の引火点である。
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    誤っているのは「混合気の蒸気濃度が燃焼範囲の上限値を超えると、濃いほど激しく燃える」です。上限値を超えると酸素が足りず、点火しても燃焼しません。燃える濃度には上下の限界があります。引火点を、下限値の濃度の蒸気を液面上につくる最低の液温とする記述は正しく、引火点と燃焼範囲はこの点でつながっています。

  7. 引火点と発火点に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    • 発火点とは、炎や火花を近づけたときに燃え出す最低の温度である。
    • 同じ物質では、引火点のほうが発火点より高い。
    • 引火点が低い液体ほど、常温で引火する危険は小さい。
    • 液温が引火点より低くても、液体が霧状になって空気中に広がると引火することがある。正解
    • 引火点は液体の周りの気温で決まり、液温には関係しない。
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    正しいのは「液温が引火点より低くても、液体が霧状になって空気中に広がると引火することがある」です。霧状の細かい液滴は表面積が大きく、すぐ蒸発して燃焼範囲の濃度になりやすいためです。発火点は火を近づけなくても自ら燃え出す最低の温度で、炎を近づけて燃え出す温度は引火点です。一般に引火点のほうが発火点より低い値になります。

  8. 自然発火に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    • 物質が空気中で常温のまま発熱し、その熱がたまって発火点に達して燃え出す現象である。
    • 通風がよく熱が逃げやすい場所ほど、自然発火は起こりやすい。正解
    • 乾性油をしみ込ませた布を丸めて積んでおくと、酸化熱で自然発火することがある。
    • 発熱の原因には、酸化熱のほか、分解熱、吸着熱、発酵熱などがある。
    • 周囲の温度が高いと、発熱の反応が速まり自然発火は起こりやすくなる。
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    誤っているのは「通風がよく熱が逃げやすい場所ほど、自然発火は起こりやすい」です。自然発火は、発生した熱が外へ逃げずにたまることで起こります。通風がよいと熱が逃げるので起こりにくくなります。乾性油をしみ込ませた布の記述は正しく、乾性油は空気中で酸化されやすいため、丸めた布の内部に熱がこもります。

  9. 粉じん爆発に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    • 可燃性の固体の微粉が空気中に浮遊し、一定の濃度範囲にあるとき、点火源によって爆発することがある。
    • 金属の粉や小麦粉、石炭の粉でも起こることがある。
    • 最初の爆発で床などに積もった粉じんが舞い上がり、続けて爆発が起こることがある。
    • 有機物の粉じん爆発では、不完全燃焼により一酸化炭素が発生しやすい。
    • 粉じんの粒子が大きいほど、空気と接する面積が増えて爆発しやすくなる。正解
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    誤っているのは「粉じんの粒子が大きいほど、空気と接する面積が増えて爆発しやすくなる」です。同じ量なら粒子が細かいほど表面積の合計が大きくなり、酸素と触れやすく爆発しやすくなります。舞い上がった粉じんによる2度目の爆発の記述は正しく、最初の爆発より被害が大きくなることがあります。

  10. 炭素12 gが完全燃焼すると394 kJの熱が発生するものとする。炭素30 gが完全燃焼したときに発生する熱量はどれか。

    • 394 kJ
    • 788 kJ
    • 985 kJ正解
    • 1,182 kJ
    • 11,820 kJ
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    正しいのは「985 kJ」です。発生する熱量は燃えた炭素の量に比例します。30 gは12 gの2.5倍なので、394×2.5=985 kJ です。炭素をmolに直すと 30÷12=2.5 mol となり、同じ結果になります。30を394にそのまま掛けると11,820 kJとなり、1 gあたりと1 molあたりを取り違えた値になります。

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